質問をするときの注意事項

技術的な質問をお寄せいただくときは、下記の注意事項をよくお読みください。

業務の言葉を使わないでください

質問をするときは、業務の言葉を使わないでください。気持ちは分かります。詳しく説明しようという思いから、つい「四半期の売上が部門予算を超えたら概算利益を合計したい」のような質問をする人が多いです。
よろしいですか?私はあなたの業務を一度も見たことがないんです。四半期と言われたって、4月始まりと限っていません。部門予算ってどれですか?概算利益って何ですか?1行目のタイトルに書いてあるから分かるだろう、というのも乱暴です。あなたはその表を毎日見ているのでしょうけど、私は初めて見るのです。したがって、業務の言葉で質問されても困ります。あなたの会社の社員にでもならない限り、私には答えようがありません。
なので質問は「Excel用語」で書いてください。売上が、利益がではなく「A列の文字が」「B列の数字が」「C列の日付が」というように。これが抽象化という考え方です。この抽象化ができないと、Excelを使えません。簡単な話です。Excelには売上を合計する関数などありません。Excelにあるのは数値を合計する関数だけです。

ソースコードや数式を見せてください

「○○をしてみたけど分からない、教えてください」という質問のときは、あなたが作ったマクロのコード数式見せてください。結果には必ず原因があります。ましてや、現在において"気まぐれなExcel"など存在しません。「××になった」のなら、そうなった原因が必ずあるんです。その原因を提示せず「××になった」と結果だけを言われても、何もアドバイスはできません。あなたには、ある目的があって、どう実現しようかというプランがあり、そのために試行錯誤して悩んだのでしょう。しかし残念ながら、私は超能力者ではありません。それらを、正しく伝えてもらわないと分からないです。
さらに、マクロのコードや数式を送っていただくときは、それが動作するサンプルのデータも送ってください。マクロや数式だけがあっても、データがなければ検証のしようがありません。「会社のデータなので、外部には出せない」という人がいますが、何も業務で使っている実データを見せてくださいと言っているのではありません。取引先名などは一括変換で「あああ」とか「AAA」に置換すればいいです。また、マクロや数式の動作を確認するだけですから、実際に使っている大量のデータもいりません。その中から数十件もあれば充分でしょう。

「うまくいかない」「変な結果になる」「エラーになる」

質問は、大別すると2種類あります。「○○をするにはどうしたらいいですか」という"やり方"に関する質問と、「うまくいかない」「変な結果になる」「エラーになる」など"原因"に関する質問です。質問に、後者の"原因"に関することが含まれている場合は、同じ状況を私の環境で再現できなければ、何も分かりません。なので、確実に再現できる手順やデータなどを提示してください。
どんな名医であっても、電話で「なんか調子悪いんですけどなぜですか」とだけ言われても、それだけで原因や対処法を答えられるはずはありません。その状況を実際に見てみなければ、何も分からないんです。

基本的に作りません

質疑応答の目的は、あなたのスキルや知識、技術などを向上させるためです。「こういうことがしたいです。ご教授ください」のような"丸投げ"の質問に対して、私がマクロや数式を作ってしまっては、あなたのスキルが1ミリも向上しません。だから、基本的には作りません。やり方を教えるだけです。さらに、理解してもらうためには、逆にこちらから課題を出す場合もあります。その課題ができたら、また連絡してくださいと。
私は、困ったときに何とかしてくれる"お助けマン"ではありません。あなたにExcelを教える"先生"です。