リボンのユーザー設定

Office 2010 から、ユーザー レベルでのリボンのカスタマイズが可能になりました。

リボンをカスタマイズすることで、「既定では表示されていないコマンドをリボンから実行したい」とか、「よく使うコマンドを一か所にまとめておきたい」とか、「PC が得意でないユーザーが使いやすくしてあげたい」などといったことが実現できます。

追加したリボンのタブ

オプション ダイアログ ボックスの [リボンのユーザー設定]

リボンのユーザー設定は、オプション ダイアログ ボックスの [リボンのユーザー設定] で行います。

たとえば、Excel のリボンの上を右クリックして、[リボンのユーザー設定] をクリックすると、直接、[Excel のオプション] ダイアログ ボックスの [リボンのユーザー設定] が表示されます。

向かって右側に現在のリボンの状態が、左側に追加することのできるコマンドの一覧が表示されています。

[Excel のオプション] の [リボンのユーザー設定]

右側の一覧で、配置の順番を変えたり、いらないコマンドを削除したり、必要なコマンドを追加したりします。 このとき、上部に [メイン タブ] などを表示されているドロップダウン リスト ボックスがあり、ここで、[すべてのタブ]、[メイン タブ]、[ツールのタブ] のいずれかを選択して、右側の一覧の表示を切り替えたり、絞り込んだりします。

既定では [メイン タブ] が選択されていますが、[グラフ ツール] などのツールのタブをカスタマイズしたい場合は、[すべてのタブ] または [ツールのタブ] を選択しないと表示されません。

カスタマイズするタブの種類

タブ、グループ、コマンドの配置は、ショートカット メニューや [上へ] / [下へ] ボタン、ドラッグ アンド ドロップで変更できます。

ダイアログ ボックス内では、上から下へ並んでいるこれらの順序が、リボン上では左から右へ並ぶため、一番左に配置したい項目を一番上へ移動します。

たとえば、既定では、[ホーム] タブの右端に [編集] グループがありますが、これを左端に移動するには、グループを選択して [クリップボード] グループの上に位置するようにドラッグしてドロップします。

タブもグループもコマンドも、配置の変更方法は同じです。ボタンを使う方法もありますが、ドラッグ操作が一番感覚的な気がします。(あくまでも個人的に)

タブの配置変更

リボンのユーザー設定では、タブの表示と非表示を切り替えたり、表示順序を変更したり、新しいグループを作成してボタンを追加したりできますが、最初から設定されているグループ内のコマンドの追加や削除、順序の変更などは行うことができません。

たとえば、「[ホーム] タブの [クリップボード] グループに [上書き保存] を追加したい」といったことはできません。

できないことは、ショートカット メニューに [削除] が出てこないとか、ボタンがグレーアウトしているなど、やろうとしてもできないので文章で覚える必要はありませんが、なんでもできるわけではない、ということは知っておいたほうがいいでしょう。

削除や変更の可否

新しいタブの作成

Excel 2016 で、下図の [お気に入り] タブを作成することを例にその手順を記載します。

新しいタブのサンプル

右側の一覧で ([ホーム] タブを選択して) [新しいタブ] をクリックすると、選択しているタブの下に、グループが 1 つ含まれた新しいタブが作成されます。

「(ユーザー設定)」という表記によって、既定のタブやグループと区別できます。

新しいタブの追加

名前の変更は、タブでもグループでも、[名前の変更] をクリックして行えます。

タブを選択して [名前の変更] をクリックした場合は、タブ名を変更するためのダイアログ ボックスが表示されるため、[表示名] にタブ名を入力して設定します。

タブ名の変更

グループやコマンドを選択して [名前の変更] を実行した場合はアイコンの選択ができます。

グループのアイコンは、ウィンドウの幅が狭くなるなど、表示しきれなくなった場合にグループ単位で 1 つのボタンにまとめられることをご紹介しましたが、そのときにこのアイコンが使用されます。

グループ名の変更

左画の一覧でコマンドを選択し、右側の一覧で追加先となるグループを選択して、[追加] をクリックすれば、グループにコマンドを追加できます。

このとき、左側の一覧に何を表示するかで、スムーズに作業ができるかどうかが変わります。左側の一覧で、コマンドの検索はできません。したがって、コマンド名や既定のタブにあるかどうかなどをヒントに、自分で探し出す必要があります。

既定では [基本的なコマンド] が選択されており、すべてのコマンドが表示されていないため、自分が使いたいコマンドが表示されていない可能性があります。かといって、いつでも [すべてのコマンド] がよい、ということではありません。

たとえば、[ファイル] タブにそのコマンドがあることがわかっているのなら [[ファイル] タブ] を選択して絞り込むべきですし、[ホーム] タブや [挿入] タブなど、既定のタブにもあることはわかっているのであれば [メイン タブ] を選択して特定のタブの内容に絞り込んだほうが探しやすいです。

コマンドの選択と絞り込み

コマンドの選択と [追加] の実行を繰り返して、必要なコマンドをグループ内に配置します。

グループへのコマンドの追加

オプション ダイアログ ボックスの [OK] をクリックしてこの時点で設定を完了すると、リボンにはこのようなタブとグループが作成されます。

新しいタブとグループ

ほかのグループを追加し、タブやコマンドの配置を変更して完成です。

ちなみに、[データ] グループの [表の挿入] は [テーブル] のことです。なぜか、左側の一覧の [挿入] タブの中にあるはずの [テーブル] が、[表の挿入] という名前でした。名前を変更したほうがいいかな、と思ったのですが、リボン上では [テーブル] と表示されているのでそのままとしました。

なお、今回使った [ハイパーリンクのクリア] のように、既定でアイコンが設定されていないコマンドもあります。そのままだとわかりにくいかな?と思ったので、[名前の変更] ダイアログ ボックスを使ってピンク色の消しゴムのアイコンを設定してみました。

本当は [印刷プレビュー (全画面表示)] や [オブジェクトの選択] といったコマンドを追加したいところなのですが、追加しても気づくとリボンから消えているんです・・・。Microsoft のサポート情報によるとそういうコマンドもあるようなので、その場合はクイック アクセス ツールバーにコマンドを配置するしかなさそうです。(これを書いている時点でのお話。)

新しいタブの完成イメージ

設定のエクスポート / インポート

作成したタブや編集したグループなどを含む、"現在の" リボンの状態を設定ファイルに出力しておくことで、再インストールなどを行った場合にリボンの状態を復元したり、ほかのユーザーの Excel でも同じ状態を再現したりできます。

下図に、[すべてのユーザー設定をエクスポート] という表記がありますが、この "すべて" には、リボンとクイック アクセス ツールバーの 2 つが含まれます。エクスポート機能を使って設定ファイルを作成する際に、操作をしているアプリケーションのリボンの設定とともに、クイック アクセス ツールバーの状態もいっしょに出力されます。

[インポート / エクスポート] をクリックし、[すべてのユーザー設定をエクスポート] の実行後、[名前を付けて保存] ダイアログ ボックスで設定ファイルを保存すると、*.exportedUI という拡張子のファイルが作成されます。これが設定ファイルです。

ユーザー設定ファイルのエクスポート

現在のリボンとクイック アクセス ツールバーの設定を設定ファイルの状態に置き換えたい場合は、[インポート / エクスポート] をクリックして [ユーザー設定ファイルをインポート] を実行し、設定ファイルを選択します。

設定ファイルには、リボンとクイック アクセス ツールバーの設定が含まれています。リボンは置き換えたいけどクイック アクセス ツールバーの設定は残したい、ということはできませんので、注意してください。

ユーザー設定ファイルのインポート

設定のリセット

作成したタブやグループを削除したり、変更した配置を元に戻したりして、リボンを既定の (最初の) 状態に戻したいときはリセットを行います。

[リボンのユーザー設定] の [リセット] をクリックすると、[選択したリボン タブのみをリセット] するか、[すべてのユーザー設定をリセット] するのかを選択できます。

[選択したリボン タブのみをリセット] は、一部のタブを既定の状態に戻したいときに使います。(コマンドのとおりですね。)

気をつけなければいけないのは [すべてのユーザー設定をリセット] です。

エクスポート / インポートのところでも書きましたが、この "すべて" にはクイック アクセス ツールバーも含まれます。クイック アクセス ツールバーの設定はリセットせずに、リボンだけリセットしたいのであれば、少し面倒ですが、不要なタブは右クリックで削除し、編集を加えたタブは [選択したリボン タブのみをリセット] を実行して既定の状態に戻します。

クイック アクセス ツールバーだけを設定してある状態、リボンだけを設定してある状態、両方を設定してある状態など、複数の設定ファイルをエクスポートしておいて適用するのも 1 つの方法だと思います。

ユーザー設定のリセット

ご紹介したように、新しいタブを作るのも 1 つですし、既存のタブにグループを追加するのもありだと思います。

たとえば、PowerPoint 2010 の既定のリボンには、複数の図形を結合して図形を作る [図形の接合] コマンドが表示されていないので、[描画ツール] の [書式] タブに新しいグループを作って、そこに [図形の接合] や [図形の重なり抽出] などの関連するコマンドを配置して使っています。

クイック アクセス ツールバーに配置してもよいのですが、描画済みの図形に対する書式設定と同じように使いたいので、図形に対する書式設定関連のコマンドの近くに配置することで違和感なく使えるようにしています。

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